銀行と貸金業者の提携が解消される
一部の銀行・信金・信組・コンビニなどのATMでは、改正貸金業法が完全施行される平成22年6月18日を待たずに、5月末ごろから、提携している貸金業者のサービスが利用できなくなることがありました。実は、この現象も改正貸金業法の影響です。
今回の改正貸金業法の完全施行により、貸金業者には、利用者に対して契約締結前に書面を交付する義務が課されました(貸金業者第16条の2)。これは、ATMによる貸付であったとしても、当然に果たさなければいけない義務です。ところが、これらの提携先のATMでは、一部を除いて、このような書面交付の機能に対応していません。また、その対応のためには、膨大なシステム開発費用がかかります。
このような事情があったために、改正貸金業法に対応できない提携先と貸金業者との業務提携が、順次解消されていきました。その結果として、今までは使うことができた提携金融機関のATMが利用できなくなりました。
ただし、一部の大手コンビニのATMに関しては、すぐに対応して従来どおりの利用ができるようになっています。
すでに銀行と貸金業者はライバル関係
このような事情以外にも、よりシビアな事情があります。というのも、金融機関(特に銀行)と貸金業者は、すでに資金需要のある利用者を奪い合うライバルである、という点です。今回の改正貸金業法では、銀行からの借入は総量規制の対象外とされています。このため、多くの銀行では、この改正貸金業法の完全施行をビジネスチャンスと捉えています。
従来、銀行と貸金業者とは、貸付の業務については、棲み分けができていました。貸金業者が取り扱う個人への貸付は、与信調査や債権回収(取り立て)に高度なノウハウが必要であるため、銀行は、この分野への参入は及び腰でした。
ところが、この総量規制の導入によって、状況が一変し、総量規制からあぶれた利用者を一気に取り込もうとする金融機関が増えてきました。特に、中堅銀行にそのような傾向が見られます。このような状況であるため、銀行は、すでに自ら貸し付ける体制を整えつつあります。このため、わざわざライバルである貸金業者とATMの利用について業務提携する必要はないといえます。



