お金を借りるときの壁

3分の1までは貸してくれる?

 今回の改正貸金業法により、総量規制の制度が新たに創設され、年収の3分の1までの貸付限度額が設定されました。この「年収の3分の1」というフレーズが喧伝されているせいか、「年収の3分の1までは無担保・無保証で貸してくれる」というイメージがあるようですが、そうではありません。

 年収の3分の1というのは、あくまで、原則として貸金業者が利用者に対して貸し付けることができる「上限」です。ですから、利用者の信用状態によっては、年収の3分の1以下の金額であっても、貸し付けてくれないこともあります。そもそも、「年収の3分の1」という総量規制は、あくまで過剰貸付の禁止のひとつの定型的な基準に過ぎません。過剰貸付を禁止している貸金業法第13条の2第1項では、次のようになっています。

 ・・・貸付けの契約が個人過剰貸付契約その他顧客等の返済能力を超える貸付けの契約と認められるときは、当該貸付けの契約を締結してはならない。

 この「個人過剰貸付契約」が年収の3分の1の総量規制のことですが、この条項では、その他にも「その他顧客等の返済能力を超える貸付けの契約」というように、一般的に返済能力を超える貸付も禁止しています。このため、たとえ年収の3分の1に満たない金額の貸付であっても、貸金業者から断られる可能性があります。

50万円・100万円のハードル

 具体的には、1社の貸金業者から50万円超を借りる場合、または2社以上の貸金業者から合計で100万円超を借りる場合は、貸金業者は、利用者から収入を証明する書類を提出してもらわなければなりません。逆にいうと、利用者は、収入を証明する書類を提出しないと、お金を借りることができません。このような場合には、貸金業者から厳しい与信審査がされます。

 なお、逆にいうと、貸金業者1社あたり50万円以下の貸付、または貸金業者2社以上あたり100万円以下の貸付の場合は、収入を証明する書類を提出する必要はありません。このような場合は、利用者の自己申告による審査となりますので、比較的簡単に審査されます。もっとも、虚偽申告をした場合は、契約解除となって、元本を直ちに返済しなければならなくなる可能性もあります。