年収3分の1の根拠
改正貸金業法によって新たに創設された「総量規制」制度によって、貸金業者からの貸付限度額(貸付残高)が、年収の3分の1に制限されるようになりました。ところで、なぜ年収の「3分の1」なのでしょうか?
実は、この年収の3分の1という割合は、現実的に返済ができるギリギリの水準とされています。というのも、まず前提として、貸金業者の利用者がおおむね年収600万円未満であるとされています。また、600万未満の世帯では、毎月の実支出が実収入の85%とされています(家計調査による)。すると、残りの実収入は15%が貸付残高の返済原資となります。
この15%の実収入をすべて返済に充てた場合、金利18%、元利均等払い、返済期間3年とすると、借入ができる金額は、年収の3分の1となります。逆に、年収の3分の1を超えてしまうと、実収入の15%をすべて返済に充てたとしても、3年では難しいといえます。ここで返済期間を3年としているのは、民事再生法における個人再生計画が3年であることを参考としているとされています。
「年収」とは?
さて、ここでいう「年収」(厳密には「年間の給与及びこれに類する定期的な収入の金額として内閣府令で定めるもの」)とはどのような収入を意味するのでしょうか。貸金業法や貸金業法施行規則では、次のものが規定されています。
@年間の給与
A年間の年金の金額
B年間の恩給の金額
C年間の定期的に受領する不動産の賃貸収入(事業として行う場合を除く。)の金額
D年間の事業所得の金額
(過去の事業所得の状況に照らして安定的と認められるものに限る。)
つまり、これらの収入をすべて合算した金額の3分の1が、借入限度額となります。なお、この年収の3分の1の金額の計算には、数々の例外がありますし、そもそも総量規制の適用対象外となる貸付もあります。このため、今後は、使用目的を明確にした計画的な借入をおこなわないと、総量規制の対象となる可能性があります。



