銀行は「貸金業者」ではない
今回の改正貸金業法の施行による総量規制は、銀行からの貸出を対象としてはいません。そもそも、貸金業法は、貸金業として登録を受けた者=貸金業者を規制する法律です。他方、銀行は、貸金業法ではなく銀行法による規制を受けます。銀行法では、「資金の貸付け」(銀行法第10条第1項第2号)が業務として認められていますが、総量規制のような制限は課されていません。このため、銀行からの資金の貸付(カードローンなどを含む)は、総量規制の対象外です。
ただ、日本の銀行の融資業務は、もともと大口の企業向け融資や住宅ローンが中心であり、個人向けの小口融資には、ほとんどの銀行が対応していませんでした。金融庁でも、今までに銀行が消費者金融市場に参入しないことについて、さまざまな問題提起をしていました。
ところが、今回の改正貸金業法をきっかけとして、主に中堅銀行を中心に、小口融資に乗り出すところが増えてきました。具体的には、スルガ銀行、東京スター銀行、関西アーバン銀行などが小口融資に力を入れています。当然ながら、これらの銀行は、総量規制によって貸金業者が貸すことができない利用者をターゲットとしています。
安易な借入ではなく「おまとめローン」「借り換え」で対応
ただ、今回の改正貸金業法の完全施行によって、銀行が積極的にお金を貸してくれるようになるのかというと、必ずしもそうとは限りません。というのも、本来、銀行の与信審査は、貸金業者によるものよりも遥かに厳しいものです。また、今回の改正貸金業法の完全施行を機に審査基準を緩めているわけでもありません。このため、従来の貸金業者のように、簡単に貸してくれるわけではありません。
現実的には、与信審査という意味では、あまり貸金業者と変わらない審査がおこなわれると考えるべきです。つまり、銀行から借りることができる利用者は、多重債務者ではなく、一部の優良顧客のみであるといえます。
ただし、多重債務までは至っていないのであれば、新規の借入ではなく、貸金業者からのローンの一本化や借り換えの場合は、応じてくれる可能性もあります。このように、今後は、個人の小口融資の場合には、銀行を利用することも視野に入れて検討するべきです。



